アニメ映画「君の膵臓をたべたい」聖地&周辺オススメ観光地の個人的まとめ
アニメ映画「君の膵臓をたべたい」を観ていて、これは富山県が舞台じゃないか、と思った。
観終えて検索してみると、やはり舞台は富山県高岡市だそうである。このあたりは以前訪れたことがあり、個人的に好きな地域の一つなので、とても嬉しかった。
ありがたいことに、PDF形式のロケ地マップが公開されている。
https://www.info-toyama.com/db_img/wn_img/525/p525.pdf
これを見れば聖地巡礼に困ることはないと思われるが、せっかくなので、本編には登場しないが近くにあって是非お勧めしたい場所も含め、観光にお勧めの場所を紹介したいと思う。
アニメ映画本編に登場した場所
雨晴海岸&松太枝浜海水浴場(高岡市)
高岡市から隣の氷見市にかけては美しい海岸線が広がっており、いくつかのエリアに分けられているが、本編に登場するのはこの2つ。桜良と春樹が学校帰りに訪れる。
天気がよければ、富山湾の向こうに立山連峰の山並みを望むことができる。残念ながら私が訪れた日は曇り空で、見渡せたのは新湊大橋くらいだった。
なお、海のすぐ近くを線路が通っており、JR氷見線を利用すると車窓から望むことができる。
アクセス:高岡駅からJR氷見線で雨晴駅下車、徒歩約5分。
高岡駅からの列車では進行方向右側、氷見駅からの列車では進行方向左側に海が見える。
万葉線(路面電車。高岡市、射水市新湊エリア)
高岡市と隣の旧新湊市(現在の射水市新湊地区)を結んでいる路面電車である。
本編では何度も登場する。オープニングや春樹が旅行の(とは露知らず)待ち合わせに向かうシーンで電車が登場するほか、春樹が桜良の退院の日に待ち合わせに向かう途中、線路際を歩いていくシーンもこの路線の線路際がモデルになっていると思われる。*1
アクセス:高岡駅から万葉線に乗り換え。
JR能町駅(高岡市)
JR氷見線の駅。本編では旅行の帰りのシーンに登場する。
概ね1時間に上下線1本ずつ、せいぜい2両の列車が来るだけの小さな駅である。ただし、かつて貨物列車が発着していた名残からか、構内がやたらと広いのが特徴である。
なお、万葉線の新能町駅が近くにある(500mほどの距離)。新湊エリアと雨晴・氷見方面を行き来する場合は、ここで乗り換えると便利である。*2
アクセス:高岡駅からJR氷見線で約8分。または、万葉線新能町駅から徒歩約8分。
新湊大橋(射水市新湊エリア)
富山新港に架かる全長600mの大きな橋。本編では花火のシーンで登場する。
万葉線の越ノ潟駅からすぐの場所にある。自動車専用道路だが歩道が併設されており、早朝と夜間を除いて歩いて渡ることができる。海面からの高さは50m近くあり、眺めがいい反面、高所恐怖症の方にはお勧めできない。
大橋の下には渡船が運航されている。レトロな雰囲気で、独特の味わいがある。運営する富山県の方針次第で廃止になるかもしれないので、気になる方はお早めに。乗船無料。
アクセス:高岡駅から万葉線に乗車し、越ノ潟駅(終点)で下車すぐ。歩道へはエレベーターでつながっている。
※写真の左側に写っている船は海王丸という。内部を見学できる(後述)。
内川沿いの風景(射水市新湊エリア)
新湊の市街地には内川という運河のような川が流れている。両岸に漁船が並び、独特の風景である。全長約2km。本編ではオープニングで登場する。
アクセス:高岡駅から万葉線に乗車し、西新湊駅で下車、徒歩約7分。しっかり歩くと徒歩約2kmで万葉線東新湊駅に至る。
アニメ映画本編には登場していない場所
朝日山公園(氷見市)
高岡市のお隣、氷見市の市街地にある小高い丘。本編には登場していないが、本編の花火のシーンで登場した二上山(守山城跡)とよく似た風景を見ることができる。
正面には富山湾を、右手(南東側)には立山連峰や新湊大橋を、左手(北東側)には能登半島を望むことができる。富山湾で花火が打ち上げられたら本編同様に素晴らしい美しさを楽しめそうだ。
なお、二上山は高岡の市街地からは遠い(本編に登場する高岡市民病院からは約8kmの距離がある)が、こちらは市街地に近く、訪れやすい。余談だが、約2km西には金沢医科大学氷見市民病院がある。*3
アクセス:高岡駅からJR氷見線に乗車し、氷見駅(終点)下車、徒歩約20分。駐車場もある。駐車場の近くに味のある展望塔があり、これに上ると写真のような眺めが得られる。
ひみ番屋街(氷見市)
氷見市の中心部、やや北側にある道の駅。氷見といえば新鮮な魚であるが、それを生かした飲食店が複数ある。また、日帰り温泉施設もある。露天風呂が気持ちいい。
アクセス:JR氷見駅から徒歩約25分、朝日山公園から徒歩約20分。比美乃江(ひみのえ)大橋という特徴的な橋があり、そのすぐ北側に位置する。
島尾海水浴場(氷見市)
雨晴海岸の北西側にある砂浜。松太枝浜海水浴場と隣接しており、風景もよく似ている。砂浜も海も松原もきれいで、落ち着いた雰囲気である。何かを語るにはちょうどよい雰囲気だ。
アクセス:高岡駅または氷見駅からJR氷見線に乗車、島尾駅(氷見駅の隣)下車すぐ。なお、雨晴海岸まで海沿いを歩くと徒歩約3km。
高岡市伏木北前船資料館(高岡市)
伏木はかつて関西と北海道を結んだ北前船の寄港地として繁栄した町である。江戸時代に海運業を営んでいた商家が資料館になっており、内部を見学できる。望楼のように突き出した小さな部屋があり、そこに上がると臨海部の工場群を見渡すことができ、町の歴史を感じることができる。
アクセス:JR伏木駅(JR氷見線で高岡駅から約12分、氷見駅から約15分)下車、徒歩約5分。
山町筋・土蔵造りのまちなみ(高岡市)
高岡は江戸時代初期に開かれた商工業都市である。現在の高岡駅の北西にある一角は、江戸時代の商人地で、今なお土蔵造りの家々が立ち並んでいる。
場所:高岡郵便局のあたりから高岡市土蔵造りのまち資料館のあたりまで(約500m)
アクセス:高岡郵便局へは高岡駅から徒歩約10分、万葉線片原町駅から徒歩約6分。高岡市土蔵造りのまち資料館へは高岡駅から徒歩約15分、万葉線坂下町駅から徒歩約3分。
高岡大仏(高岡市)
市街地中心部にある大佛寺に鎮座する、高さ約15mの銅製の大仏。台座の内部には回廊があり、早朝と夜間を除いて参拝することができる。回廊には仏像や仏画が安置されていて、信仰の場らしい落ち着きがある。大仏は13世紀から何度も大火で焼失しては再建されてきたそうで、現在の大仏は1933年に完成したものである。
なお、高岡は銅器の街であり、全国シェアの約95%を占めるという。
アクセス:高岡駅から徒歩約10分、万葉線坂下町駅から徒歩約4分。
海王丸パーク(射水市新湊エリア)
1930年竣工の練習帆船「海王丸」が係留されており、内部を見学することができる。全長約100mの大きな船で、内部も客船とは異なる独特のしつらえで面白い。
アクセス:高岡駅から万葉線に乗車、海王丸駅で下車、徒歩約5分。越ノ潟駅(新湊大橋の越ノ潟側、渡船越ノ潟発着場)から徒歩約12分。
高岡へのアクセス
首都圏から
【北陸新幹線】
東京駅(または上野駅、大宮駅など)から北陸新幹線に乗車。新高岡駅で下車、バスに乗り換えて約10分。または、富山駅で新幹線を降りて、あいの風とやま鉄道に乗り換えて約20分。
新高岡駅はバスが便利だが新幹線の本数が少なく、富山駅は電車の接続が微妙だが新幹線の本数が多く、一長一短である。
新高岡駅からのバスの時刻は、Yahoo!乗換アプリで、発駅を「新高岡駅/加越能バス」、着駅を「高岡駅南口」に設定すると検索することができる。(「高岡駅前」にすると遠回りなうえ本数が減る。また、「新高岡駅/富山地鉄バス」にすると本数がほとんどなくなる。)
【高速バス】
新宿、池袋から高速バス(夜行、昼行)がある。富山駅前までの便と高岡駅前・氷見駅前まで行く便がある。
詳しくはhttp://www.kaetsunou.co.jp/highway/tokyo/から。
関西から・福岡から
【JR特急】
大阪駅(または新大阪駅、京都駅)から特急サンダーバードに乗車。金沢駅で北陸新幹線に乗り換えて新高岡駅で下車、バスに乗り換えて約10分。または、金沢駅でIRいしかわ鉄道に乗り換えて約40分。
新高岡駅からのバスの時刻は、Yahoo!乗換アプリで、発駅を「新高岡駅/加越能バス」、着駅を「高岡駅南口」に設定すると検索することができる。(「高岡駅前」にすると遠回りなうえ本数が減る。また、「新高岡駅/富山地鉄バス」にすると本数がほとんどなくなる。)
なお、福岡からは、博多駅から山陽新幹線に乗車、新大阪駅で特急サンダーバードに乗り換え。
【高速バス】
大阪、京都から高速バス(夜行、昼行)がある。高岡に直行する便はなく、金沢駅または富山駅で電車に乗り換える必要がある。
詳しくはhttps://www.nishinihonjrbus.co.jp/search/(JRバス)またはhttps://www.hankyubus.co.jp/highway/route/(阪急バス)から。
名古屋から
【高速バス】
名古屋から高岡、氷見へ直行する高速バス(夜行、昼行)がある。昼行の所要時間は4時間弱。
詳しくはhttp://www.kaetsunou.co.jp/highway/nagoya/(加越能バス、昼行のみ)、https://www.iruka-net.jp/kitokito(イルカ交通、昼行のみ)、http://www.jrtbinm.co.jp/timetable/hokuriku_dream_nagoya/(JRバス、夜行のみ)から。
【JR特急】
名古屋から高岡へ直行することはできないが、金沢までは特急しらさぎがある。所要時間は約3時間。急ぐ場合は米原駅で新幹線に乗り換えてもよい。
高岡での宿泊
高岡市中心部には大規模なビジネスホテルが多数ある。桜良と春樹のようにちょっといい部屋でグラスを傾けたりトランプなどを楽しみたい方にはホテルニューオータニもある。
氷見市中心部には小規模なビジネスホテルがあるほか、少し北側に温泉を備えた大規模なホテルが複数ある。個人的には、氷見の旬を食する味わいのホテル信貴館(https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/108624/108624.html)がお勧め。部屋は普通のビジネスホテルだが、食事が非常に良い。「氷見づくし膳」プラン(2食付で1人1万円程度)をはじめ食事つきプランが充実しており、海の幸を割安に楽しむことができる。
射水市新湊エリアにもビジネスホテルをはじめいくつかの宿泊施設がある。
おわりに
この地域にはよい場所がたくさんあり、また、美味しい食べ物もたくさんある。
また、桜や夕焼けが美しかったり、雪をかぶった立山連峰が見られたり、季節によって違った顔を見せてくれる地域でもある。もちろん新鮮な魚にも旬があり、氷見の寒ブリをはじめ、名産品を旬に食べると感動するような味が楽しめる。
残念ながら今年の桜は散ってしまったが、紅葉の秋に、寒ブリの冬に、桜咲く春に、あるいは海水浴シーズンの夏に、ぜひ訪れてみてほしい。
注:上記記事は私が実際に訪れた場所に限定して記述しています。そのため、アニメ映画本編に登場した場所であっても記述していない場所があります。
また、情報は概ね2018年9月17日現在のものですが、一部訪問日基準のものなど古い情報が混じっている可能性があります。気になった場所については一度検索し、公式情報を確認いただけると幸いです。